
展示会ブースの制作・装飾は、来場者への第一印象を左右する重要な要素です。
成功する展示会出展のためには、企業のニーズに合った適切な業者選びが欠かせません。
展示会の開催2~4ヶ月前には業者を決定し、準備を始めることが理想的です。
ブースのデザインや施工方法によって、集客効果や商談の成果が大きく変わってきます。
本記事では、展示会ブース制作・装飾会社の種類や選び方のポイント、契約時の注意点までを詳しく解説します。
業者選びで迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
展示会ブース制作・装飾会社の種類

展示会ブースの制作や装飾を行う会社は、それぞれ特徴や得意分野が異なります。
展示会の目的や予算に応じて最適な会社を選ぶことが、成功への近道となります。
タイプ①:企画・プランニング会社
企画・プランニング会社は、展示会ブースのデザインや施工だけでなく、企画段階から中長期的な販促支援までを一貫して行います。
展示会の戦略立案から実施後のフォローまで、幅広いサービスを提供するのが特徴です。
コンパニオンの手配やノベルティ制作なども依頼できるため、年間で複数回の出展を予定している企業に適しています。
ただし、デザインや施工を外注するケースが多いため、コストは比較的高めになる傾向があります。
タイプ②:デザイン事務所
デザイン事務所は、展示会ブースのビジュアル面で差別化を図りたい企業に最適です。
グラフィックデザインや空間デザインなど、得意分野は会社によってさまざまです。
展示会ブースの制作には建築の知識も必要となるため、実績のあるデザイン事務所を選ぶことが重要です。
また、「仮設」という特性を理解し、設置や撤去のしやすさにも配慮したデザインができる会社を選びましょう。
タイプ③:施工専門会社
施工専門会社は、工場や倉庫、部材を自社で保有していることが多く、コスト面で大きな強みがあります。
豊富な施工経験を持つため、限られた時間内での確実な設営が可能です。
とくに小規模な小間数のブースでメリットを発揮します。
一つの展示会で複数社のブース施工を担当することで、人件費の調整が可能になるためです。
また、パッケージ化されたデザインを提供している会社も多く、スピーディーな対応が可能です。
タイプ④:広告代理店
広告代理店は、さまざまな業者をパートナーとして抱え、広告全般について総合的なサポートを提供します。
展示会だけでなく、プロモーションや集客方法も含めた包括的な提案が可能です。
ただし、対応範囲の広さから、コストは比較的高額になります。
また、小規模な案件は対応していないケースが多いため、予算や規模に応じて検討する必要があります。
展示会ブース制作・装飾会社の選び方ポイント5選

展示会ブースの制作・装飾会社を選ぶ際は、複数の観点から慎重に検討する必要があります。
以下の5つのポイントを押さえることで、目的に合った最適な会社を見つけることができます。
1. 経験と実績を確認する
展示会ブース制作・装飾会社を選ぶ際、まず確認すべきは実績の豊富さです。
過去の施工事例や制作実績を確認することで、その会社の技術力や対応力を把握できます。
実績の乏しい会社に依頼すると、要望が十分に反映されないリスクがあります。
多くの会社は公式サイトで実績を公開していますが、非公開の場合は問い合わせて確認しましょう。
適切な業者を選ぶためには、複数の会社を比較検討することが効果的です。
理想的な比較数は3~4社です。
なお、選定の際にデザインの提案料(コンペ参加費)を請求される場合があるため、最初に確認することをおすすめします。
2. 予算に合った提案をしてくれるか
展示会ブースの制作費用は、小間の広さや装飾の種類、納期などによって大きく変わります。
予算が決まっている場合は、最初の問い合わせの段階で伝えることが重要です。
過去の事例をもとに、予算内で実現可能な提案をしてくれる会社を選びましょう。
また、予算に応じて代替案を提示してくれる柔軟な対応力も重要なポイントとなります。
見積もり依頼をする際は、以下の基本情報を明確に伝えることが大切です。
- ・展示会の名称および小間の規模
- ・展示の基本的なアイデアの有無
- ・必要なサポートの範囲(企画立案から施工まで)
- ・投資可能な予算枠(設定している場合)
業者から過去の制作実績と費用の資料を入手することで、以下の点が明確になります。
- ・想定より費用を抑えられる可能性
- ・追加予算での品質向上の余地
- ・予算との適合性の判断
3. 見積もりが詳細に記載されているか
見積書には、基本工事費や電気工事費、備品レンタル料など、費用の内訳が詳細に記載されているかを確認します。
曖昧な項目があると、後から追加費用が発生するリスクがあります。
複数の会社から見積もりを取り、内容を比較検討することをおすすめします。
一般的には3~4社程度から見積もりを取るのが適切です。
とくに施工専門会社の場合、一つの展示会で複数社のブース施工を担当していることが多くあります。
このような場合は、人件費の配分による適切なコスト調整が期待できます。
また、自社で部材や工場、倉庫などを保有している会社の場合、施工に関するコストを抑えられる傾向にあります。
見積書を確認する際は、これらの背景も考慮に入れて検討しましょう。
4. 企業のニーズにマッチした提案内容
展示会ブース制作・装飾会社からの提案には、パース(完成予定図)と呼ばれるブースの完成イメージが含まれます。
通常は3方向からの視点で描かれ、実際の仕上がりをイメージしやすくなっています。
提案内容が自社の展示会出展の目的や意図を十分に理解したものになっているかを確認しましょう。
また、視覚効果や来場者の動線計画など、専門的な視点からの提案も重要です。
完成予想図の確認に加えて、企画提案書の提出を求めることが重要です。
優れた企画力を持つ業者は、具体的な提案書を基に打ち合わせを進めていきます。
ブースのデザインコンセプトから、実際の運用方法まで詳細な説明を求めることで、イメージのずれを防ぐことができます。
施工に実績のある業者の中には、スタンダードプランを用意しているところもあります。
このような定型デザインを活用することで、制作時間の短縮とコスト削減を実現できます。
5. 打ち合わせ等の柔軟な対応
展示会までの準備期間中は、頻繁な打ち合わせや調整が必要となります。
担当者の対応の速さや、要望への柔軟な対応力は、スムーズな準備進行の鍵となります。
また、展示会当日の運営サポートや、終了後の撤去作業なども含めて、一貫したサポート体制があるかどうかも重要です。
コミュニケーションがスムーズに取れる会社を選ぶことで、イメージ通りのブース制作が実現できます。
具体的な打ち合わせの内容は、大きく以下の段階に分かれます。
- ・デザインや仕様の確定
- ・施工スケジュールの調整
- ・搬入・設営の段取り確認
- ・当日の運営体制の検討
展示会の2~4ヶ月前には業者を決定し、準備を開始することが理想的です。
基礎工事や電気工事、各ブースの区画設営など、さまざまな作業が発生するため、工程ごとの詳細な打ち合わせが必要になります。
開催前日の搬入作業では、商品の設置を自社で行うケースもあります。
その場合、運搬手段(社用車、運送会社、レンタカーなど)の確認や、会場内での車両搬入の可否なども事前に確認しておく必要があります。
展示会の成功は、このような細かな準備と調整の積み重ねにかかっています。
打ち合わせを通じて業者との信頼関係を築くことで、スムーズな準備進行が実現できます。
契約前に確認すべき3つのポイント

展示会ブース制作・装飾会社との契約前には、細かな確認が必要です。
以下の3つのポイントをしっかりと確認することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
契約内容の詳細
契約書には、業務の範囲や納期、支払い条件などが明確に記載されているか確認します。
とくに施工スケジュールや作業内容については、具体的な記載があるかどうかをチェックしましょう。
展示会ブースの設営から撤去までの作業工程が、時系列で示されているかも重要なポイントです。
また、デザインや施工に関する著作権や、素材の二次使用に関する取り決めも確認が必要です。
具体的な作業内容としては、基礎工事、電気工事、各ブースの区画設営などが含まれます。
これらの工事は通常、開催日の1~2日前に行われます。
展示物や商品の搬入については、会場によって搬入可能な時間帯や方法が異なります。
運搬の手段として、社用車、運送会社の利用、レンタカーの手配など、複数の選択肢がある点も確認しておきましょう。
大型の展示会場では、会場内まで車両での搬入が可能な場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。
追加費用の有無
基本の見積金額以外に発生する可能性のある追加費用について、事前に確認します。
電気工事や給排水工事など、オプション工事にかかる費用の詳細を把握しましょう。
また、展示会当日の運営スタッフ費用や、深夜・早朝作業が必要な場合の割増料金についても確認が必要です。
予期せぬ追加費用を防ぐため、見積書の内訳と契約内容を照らし合わせることが重要です。
契約金額以外に発生する可能性がある費用には、以下のようなものがあります。
- ・各種設備工事(電気・水回りなど)の費用
- ・当日の運営人材にかかる費用
- ・時間外作業における追加料金
- ・展示期間中の不具合対応費用
また、展示内容の変更や仕様の調整が必要になった場合の費用についても、事前に確認しておくことをおすすめします。
サポート体制
展示会当日のトラブル対応や、緊急時の連絡体制について確認します。
担当者の連絡先や、緊急時の対応方法が明確になっているかをチェックしましょう。
また、展示会終了後の報告書作成や効果測定など、アフターフォローの内容についても確認が必要です。
複数日開催の展示会の場合、会期中のメンテナンスや補修対応の体制も重要なポイントとなります。
まとめ:最適な展示会ブース制作・装飾会社選びのために
展示会ブース制作・装飾会社の選定は、展示会の成功を大きく左右する重要な判断となります。
企業の目的や予算に合った業者を選ぶために、まずは複数の会社に相見積もりを依頼することからスタートしましょう。
実績や提案力、サポート体制など、多角的な視点で比較検討することで、最適なパートナーが見つかるはずです。
展示会当日までには、デザインの確定、施工計画の立案、搬入方法の確認など、さまざまな準備が必要です。
業者との綿密な打ち合わせを重ね、信頼関係を築くことで、魅力的な展示会ブースの制作が実現できます。
慎重な検討と計画的な準備を進めることで、効果的な展示会出展が可能となります。