展示会の初出展を成功させるために必要なことを紹介

展示会は、自社の商品やサービスを効果的にアピールし、新規顧客との接点を増やす絶好の機会です。しかし、はじめて出展する場合、準備物や計画の組み立て方がわからず手探り状態になりがちです。

「どんなブースを作ればいいのか?」
「どんな配布物が必要か?」
といった疑問を解決し、成功へ導くためには、事前のスケジュール管理やターゲット決定、具体的な目標設定などが重要なポイントとなります。

本記事では、展示会に初めて出展する企業の方を主な対象とし、成功させるために必要な準備や、出展前に用意すべき書類・備品、当日運営で役立つアイテムなどを詳しく解説します。
段取りよく手配してスムーズに運営できれば、限られた期間でも大きな成果が期待できるでしょう。

展示会出展に向けて準備すること

展示会の初出展を成功させるには、単にブースを用意すればよいわけではありません。どのような目的で参加し、どんなターゲットにアプローチしたいのかを明確にし、目標数値を設定することが大切です。
さらに、出展後のフォローアップを考えた集客施策も準備しておく必要があります。

関連記事:展示会の出展準備は何から?出展までの流れとスケジュールを解説

展示会の目的を考える

初めての出展では、つい「とりあえず参加してみよう」という姿勢になりがちです。
しかし、目的が曖昧だと、当日の運営やブース設計がちぐはぐになり、結果として得られるリード(見込み客)や商談が思ったほど増えないことになりかねません。

展示会に出展する目的は、大きく分けて以下のように整理できます。

  • ・新規顧客を獲得する(リードジェネレーション)
  • ・ブランドの認知度を高める(ブランディング)-新商品やサービスをPRする(ローンチや告知)
  • ・業界関係者とのネットワークを広げる(パートナーシップ構築)

目的が明確になると、ブースのデザインやスタッフの接客方法、配布物の種類などが自ずと決まってくるでしょう。

関連記事:展示会ブースの制作・装飾で集客ができるデザインとは?レイアウトの事例を解説

出展する商品とターゲットを決める

出展する全商品を展示会に持ち込むのは、かえって訴求点がぼやけてしまう可能性があります。
むしろ、注力したいアイテムや新製品に絞り、ターゲット顧客が興味を持ちやすいポイントを打ち出す形が効果的です。たとえば、企業向けのシステム製品を出展するなら、「中小企業のIT担当者」をターゲットとし、コスト削減や導入しやすさを前面に訴求するといった具合です。ターゲットを明確にすることで、ブースのデザインや配布資料の内容が整理しやすくなります。

目標の設定

「展示会に出るからには、何らかの成果を得たい」という思いがあっても、具体的な目標数値やKPIを設定しないままだと、成功か失敗かの評価ができません。

以下のような目標を設定することで、出展後に効果を測定できます。

  • ・名刺交換件数:○○枚を目標とする
  • ・商談数:問い合わせフォームへの誘導を○件以上目指す
  • ・見込みリード数:興味を示した来場者を○人獲得する

目標を設定すると、それに合わせたスタッフ配置やPR方法を検討しやすくなり、成果の振り返りもしやすいです。

出展前後の集客施策を考える

展示会当日の集客だけでなく、前後のプロモーション施策も大切です。
出展する展示会の公式サイトやSNS、参加企業一覧などに自社名を掲載できる場合は情報をしっかり更新し、既存顧客やメールマガジン購読者に「展示会に出展します」と告知するなど、事前にできる集客を行うとブース来場者が増えやすくなります。
また、出展後はフォローアップのスピードが勝負です。名刺交換した方やアンケート回答者には、迅速にお礼のメールや追加情報を送付し、商談へとつなげましょう。

展示会出展前に必要なもの

初めて展示会に参加する際は、出展に関わる書類やブース設営に使う各種備品、来場者対応用のアイテムなど、多岐にわたる準備物を把握しておかなくてはなりません。
下記では、それぞれの分類に分けて解説します。

出展前に必要なもの

展示会当日より前に手配・作成しておく書類や許可証などを下記にまとめました。
期日を過ぎてしまうと参加がキャンセル扱いになるケースもあるため、スケジュールを逆算して準備を進めることが大切です。

出展申込書

多くの展示会では、出展申込書を主催者へ提出する必要があります。申込書には出展ブースの規模や希望するオプション(電源、照明など)を記載し、所定の方法で期限内に提出するのが基本です。
追加オプションの申し込みは別途書類が必要になる場合もあるため、案内をよく確認しましょう。

ブース設計・施工関連書類

大がかりなブースを制作する際は、施工会社との契約書やレイアウト図面、電気工事申請書などが必要です。
ブース全体のデザインコンセプトを共有し、広報物や展示パネルのレイアウトもあわせて検討すると、当日スムーズに設営できます。

関連記事:展示会ブース制作・装飾業者を選ぶ際のポイントや施工事例もご紹介!

各種許可書

火気を扱う展示や、食品を提供するなど、特別な行為をする場合は消防署や保健所の許可が求められるケースがあります。また、大音量のスピーカーを使用する際も騒音レベルに関する許可が必要になることがあります。事前に主催者や自治体に問い合わせ、必要な許可書を取得してください。

広報・宣伝素材

展示会サイトやSNSで使う企業ロゴやキャッチコピー、商品の写真などを整理しておきましょう。会期前にプレスリリースを出す場合は、原稿を準備し、掲載媒体の選定やスケジュール管理が必要です。
ブース内で使用するパネルのデザインやチラシの制作も含めて検討しておくと、全体の統一感が出ます。

展示会の設営に必要なもの

実際に会場でブースを形にするための基本設備や道具を揃えます。 設営作業は限られた時間で行うことが多いため、前もってチェックリストを作成し、見落としを防ぐのが賢明です。

ブースの基本設備

壁面パネルやカーペット、照明やコンセントなどは主催者から提供される場合もありますが、角地ブースや独自のデザインを施す際は追加の什器やパネルが必要なケースがあります。 必要なサイズ・数を事前に確認して手配しましょう。

什器関係

展示台や棚、ディスプレイスタンドなどを用意することで、商品を効果的に見せられます。什器選びはブース全体のコンセプトに合わせ、収納力や見栄えを両立させるのがポイントです。

照明器具・電気関係

自社ブースが暗いと商品や情報が見えづらく、来場者が寄り付きにくくなります。スポットライトやLEDパネルなどを効果的に配置し、注目ポイントが際立つようにしましょう。 電源容量にも余裕を持たせておくと、予期せぬ機器追加にも対応しやすいです。

展示品

ブースのメインとなる商品やサービスのサンプル、デモ機器などは、破損や紛失がないように梱包し、会場まで運搬します。パネルやPOPなどの紹介用ツールも整備し、商品の魅力が伝わるディスプレイを工夫するとよいでしょう。

展示会の来場者対応に必要なもの

来場者とのコミュニケーションを円滑にし、製品やサービスについて理解を深めてもらうために、必要なツールや備品を事前に用意しておきます。

配布物

企業パンフレットや商品カタログ、チラシなどを十分な部数で用意しましょう。デジタル化が進んでいる時代でも、紙媒体の資料は手にとって閲覧・持ち帰ってもらいやすいです。

受付用品

名刺交換を円滑にするための名刺入れや、来場者の情報を記録するためのアンケート用紙やタブレットなどがあると便利です。ラベルシールや顧客管理システムと連携するQRコードリーダーなどを活用すると、後日のフォローがスムーズになります。

ノベルティ

小物やノベルティグッズを配布することで、来場者の興味を引きやすくなります。ボールペンや付箋など実用的なグッズに、自社ロゴを入れたものを用意すると、記憶に残りやすいです。 数量や保管スペースの確保にも留意してください。

展示会出展の運営管理に必要なもの

当日の運営をスムーズに行うためには、スタッフが共通のルールや役割分担を把握している必要があります。そのためのマニュアルやツールを準備しましょう。

スタッフ用品

スタッフが着用するユニフォームや名札、または胸章があると、来場者が声をかけやすくなります。
特に大規模な展示会では、スタッフが一目で分かる工夫が欠かせません。

スタッフマニュアル

ブースのコンセプトや製品情報、応対マナーや質疑応答のポイントなどを簡潔にまとめたマニュアルを作成し、スタッフ全員が把握しておくとトラブルを減らせます。
QRコードや電子ファイルで共有しておくのも良い方法です。

展示会出展の搬入作業で必要なもの

会場への搬入作業は、ブース設営や商品の陳列といった流れの中でも大きな労力を要します。 限られた時間内で効率よく設営を完了させるための備品を用意しておくと安心です。

搬入計画書

搬入経路や作業手順、スタッフの配置などをまとめた計画書があると、スムーズに作業を進めやすいです。
大型商品や什器を搬入する際は、事前に会場の搬入口やエレベーターのサイズを確認しておきましょう。

台車やキャリーカート

重量のある荷物を運ぶ際に必須です。
特に設営や撤去の際は、限られた時間で多くの荷物を動かす必要があるため、十分な台数の台車を手配しておくと作業負担を軽減できます。

養生・梱包材

床や壁を保護するためのシートや、什器や展示品を傷つけないように梱包するエアキャップなどを用意しておくと安全です。会場や主催者が養生を指定している場合もあるため、事前にルールを確認してください。

事前準備と計画を徹底して展示会の初出展を成功させよう

展示会の初出展を成功させるためには、出展前の準備と当日の運営計画が欠かせません。まずは、展示会の目的やターゲットを明確にし、達成したい目標を設定することが大切です。
そのうえで、出展申込書やブース設計関連書類、宣伝素材などの書類を整え、必要な什器や配布物、スタッフマニュアルなどを準備しておきましょう。搬入作業や設営に必要な機材もしっかり把握し、限られた時間でスムーズにブースを作り上げることが成功の鍵となります。
もちろん、展示会当日の集客施策だけでなく、事前の告知や出展後のフォローアップまで含めて計画を立てると、出展の効果を最大化できます。もし初めての出展で不安がある場合は、専門業者に相談したり、主催者や業界のガイドラインを参考にしたりすると、効率的に準備を進められるでしょう。

効果的なブースデザインやスムーズな運営で、多くの来場者に商品やサービスの魅力を伝え、ビジネスチャンスを広げる第一歩にしてみてはいかがでしょうか。

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